Q-tipがチョイスする史上最高のリリシストとは?

Q-tipが選ぶ「Top 3 MCs All Time」(史上最高のMC3トップ3)
どうやらリリシストのランキングのようだ。

Rakim
Slick lick
The notorious B.I.G

こういうリリシストの格付けの話となると、有名なのはKool Moe Deeの「There’s a God On the Mic」である。雑誌Blastによる部分的な紹介によれば、Kool Moe Deeはリリシストを以下のように分類しているという。

系統 黄金期(golden age) ニュースクール期
正統派 Rakim Nas
プレイヤー型 Big Daddy Kane  Jay Z
キャノン型 Krs-One  The Notrious Big

一方でQ-tipが挙げたトップ3MCとは以下の顔ぶれになる。

Rakim
Slick lick
The notorious B.I.G

Q-TIPも本当に凄いリリシストであるが、手前味噌は遠慮した、ってとこか。
 やはりRakimは基本ということだろう。初期2作品はパンチライン連発、

リリシスト特集があればラキムのリリックはパンチラインが多いので引用される。

Big Daddy Kaneのパンチラインは日本人にも分かりやすい巧さがあるが日本ではラキムの凄さはわかりにくい。

そこで英語の達者な人が判断するとラキムは不自然な韻踏みが多すぎるという見解らしい。

そして
“Slick Rick”は不自然な韻踏みは全くないとのことだ。

スリックリックは確かに単調なフローであるが、ライミングは自然で、詩的表現の豊富さ、ストーリーテリング上の文章の流れの巧みさ、そして随所に見られるウィット。

英語達者の人にしてみればスリックリックのリリックが非ヒップホップファンへのアピールとなるようだ。

 逆に言えば、Slick Rickのリリックというのはコアなヒップホップファンにしか通じないような価値観(たとえばNasのillといった価値観)やスラングが多用されておらず、平易な言葉で書かれているということだろう。

 平易な言葉で高度な詩が書ける。スリック・リックは逮捕されていなければ、今頃ラップ界の国民的詩人だったかもしれない。

、、がスラングこそがヒップホップでもあるので「わけわかんなさ」も多いにあってよいと思う。

 Q-tipが選出した3人目はBiggieであった。

Q-tipは何度かNasを文字通り激賞してきた人だし、Nasの名前が挙がることと思っていたのだが。Q-tipとBiggie。かなり対極にある存在に見えるが、これもヒップホップ界がスキルがあれば認め合うフェアーな世界である

 さてBiggieだが、コアなヒップホップファンにはもちろん、そうではない層にも受ける詩を書いてきた人である。”Juicy”のリリックは教養がある層にも受けが良いらしい。





Biggie Smalls – Kick in the Door

Nasはヒップホップファンにしか受けないリリックを書くが、Biggieは違う。

Q-tipはSlick Rickも選出しているし、コアな世界に対する“他者の目”を意識したのかもしれない。

ランク外のNasだが。

日本人には、英語の詩をネイティブ並みに理解することは、ほぼ不可能なので、誰がリリシストで誰がそうではないとか、本当は私たちにはあまり関係がない。

その中でもNasはコアなヒップホップファンに響くリリックばかり書くので、日本人への影響力は絶大だと思われる。

 たとえば、”ill”(病んでいる)という価値観。Nasのオリジナルではないが代名詞的な哲学とっている。

病んでいる詩はカッコイイのであり、そうでないのはウワベだけだ。Jay-zに対するDis曲”Ether”では、「エイズのテストを受けてみろ。お前は陰性だ」(つまり病んでいない)という言葉まで飛び出す。

逆転の発想とはこのことで、素直にカッコイイと思ってしまう。

 しかしヒップホップのファン以外には何のことやらわからないことばかり言うし、無理やりなライミングが多すぎるという点で、高評価は得にくいと思われる。Jeru the Damajaはそれをより極端にした存在と言える。

 一見、ヒップホップファン以外の評価が得にくいようで、実は多くの層の共感を得るリリックを書いてきたのがKool G Rapであるといわれている。

Nasとは同郷のクイーンズ・ブリッジの出身であり、Nasから見れば大先輩。

 Juice Crewの一員であるが、Krs-Oneに叩きのめされた”The Bridge Wars”では目立たなかった。それゆえ、Krs-Oneよりも下に見られがちなのかもしれないが、そんなことはない。むしろKrs-One以上に、多くの層に訴えかける詩を書いてきた可能性が高い

そしてリリシストといえばD.I.T.C.のメンバーであるO.C。




 彼のリリックは私たち日本人にとっては最も分かり易い、シンプルな形態をとったものが多い。私たちは何故死ぬのか、死ぬのならば何故生まれるのか、といった哲学の入口的な問いかけがあったり、ストレートにワックなMCをDisったりする。
O.C. – Born 2 Live

言わずと知れた名曲↑




こういった情報があると、更に英語のラップを楽しめる。

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