今日はコラムです。
★テープ売人★
1990年代後半音源はTAPE時代
日本語ラップシーンが確立されつつある時代。
有名ではないラッパーもクラブやライブハウスで活躍しはじめていた。
当時はパソコンが一家に一台ある時代ではなかったので情報は雑誌やテレビ、ラジオ。
街中のフライヤーや街の噂が情報源だった。
今でこそ有名じゃないラッパーは自らデモ曲をつくれるしトラックも気軽にネットでも買える。
1990年代後半はMTRという機材を使ってデモテープを作るの主流だった。
しかもその作り方も皆しらないのでロックや音楽に詳しいダチに聞きながら手探りで作っていた。
だから1990年代に自分達のDEMOTAPEがあるのはナカナカ凄い事だった。
一方MIX TAPEも流行った。これは正直MTRはなくても作れる。
ターンテーブルとミキサーからコンポに繋げて家DJをしてDJは練習している人が多かったので、空のテープをセットしてDJスタート!
ノーミスで片面を上手く録音、B面にひっくり返してまたスタート!
これでミックステープの完成だ。これを友達や仲間に配ったりする。
パソコンもないので雑誌の切り抜き等も切り貼りしてオリジナルジャケットも作ったり、手書きでうまくジャケットをつくる。これでもはや商品になるのだ。
それらのミックステープは洋服屋で買えたりもした。
しかしラッパーのデモテープは滅多にみかけなかった、やはり一か八か買うのはリスクもあるので、洋服屋も取り扱わなかったのかもしれない。
そこで、とあるラッパーは路上で売る事にした。
STREETでのTAPE販売
場所は渋谷タワレコ前
MCアリ【仮名】は渋谷タワレコ前に立ち見た目がB-BOYの男に話しかけまくった。
アリ:お前B-BOY?
男:はい
アリ:リアル?
男:んん、まあ、、、
アリ:じゃあ買えよ
、、、何とそんな具合で自身のデモテープを売りまくった。
500円で200本売ったというのだから凄い。
カツアゲすれすれのSTREET販売、、、
TAPE販売での売上はざっと10万円だ。
テープは一本105円だったので原価は21000円。利益は7万9千円。
凄い。 最近はCDでたまにやってる人います。いわゆるHIP HOPあるあるですね
アリはその後活動を辞めて、自分のパスポートを売るなど破天荒なエピソードを聞いた。
その後アリはラッパーとして一時期復帰2年程クラブなどでライブしていたが自然と姿をけした。。
数年後共通の仲間から話しを聞くと
「アリさん 高校生をボコボコにしてしまって逮捕された」
その後は消息不明となった。
やはり破天荒なラッパーはバイオレンス強めだった。
しかし本当にラップはかっこよかった。
これをリアルと思うか?フェイクと思うか?それはあなた次第だ。